毎年秋分の日の前日となる9月22日に開催されている、薩摩川内市の伝統行事となっている川内大綱引は、実に420年もの歴史があります。
この行事が開催されるきっかけとなったのが、実は関ヶ原の戦いなんです!
どれだけ昔からおこなわれているのか、なんとなく想像できますよね~。
どうして関ヶ原の戦いが、綱引きのきっかけとなったのか気になりませんか?
そこで今回は「川内大綱引」の歴史についてご紹介させていただきます。
また気になる交通規制についても一緒にご紹介しますので、参考にしていただけると嬉しいです!
【川内大綱引き2019】歴史
川内大綱引がスタートしたキッカケは、関ヶ原の戦いに向け兵士たちの士気を高めるためでした!
今の考え方なら、士気を高めるために綱引きって、絶対に浮かびませんよね(笑)
むしろ疲れてしまいそうです(笑)
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始めたのは薩摩国の武将、島津義弘といわれています。
ですが正確な記録はなく、始まった年も理由もあくまで一説にすぎません。
確かにここまで歴史があると、確かな記録がないのも当然ですよね。
そしてこの歴史と伝統を守るため、1985年に大綱引保存会が設立。
2006年には鹿児島県の無形民俗文化財に指定されています。
1999年に400年祭記念行事が開催、2009年にも410年祭がおこなわれました。
ということで、今年の2019年は420年目を迎えます♪
420年目の記念は、この大綱引を題材にした映画「大綱引の恋」の撮影がおこなわれています。
映画の詳細はこちらでご確認いただけます。
主演は三浦友和さんと百恵さんの次男である三浦貴大さん。
そして、ヒロインはKARAの元メンバー、知英さんという豪華なおふたりの恋物語。
映画は来年公開予定ですが、地元の大切なイベントが映画化されるって、川内のみなさんも嬉しいでしょうね♪
これをきっかけに綱引ブームが起きたりして(笑)
映画にもなるような魅力的なこの「川内大綱引」。
さて、どのようにして行われるのでしょうか?
【川内大綱引き2019】一番太鼓って何?
この川内大綱引の綱は、イベントの開催当日の朝からおよそ1,500人によって7時間もかけて作られるそうです。
すごいですよね~7時間って。
綱の長さは365メートル、綱の直径は40センチ、そして重さは7トンにもなるそうです。
だいたい大人が400メートル歩くのに5~6分かかるそうなので、綱の端から端まで歩くと5分くらいかかるんでしょうね。
そして7トンは、大きなアフリカゾウのオスの体重くらいなんだとか。想像力に乏しいわたしには、どれだけ巨大な綱なのかまったく想像もつきません(笑)
そんな巨大な綱を引くこのイベント。
普通の綱引とは規模もルールも全く違いました!
一番太鼓や大将など、いろいろな役割があるのもこの綱引ならではです。
さて、どんな役割があるのでしょうか?
一番太鼓
川内大綱引には一番太鼓、大将、押大将からなる「三役」と呼ばれる、綱引におけるいわば花形の役割があります。
この「一番太鼓」もその1つで、この役は一生で一度しかでません。
中でもこの一番太鼓が歴史も古く最も輝かしい役割ということもあり、川内に住む男たちにとって憧れとなっているそうです。
何をするのかというと、チーム全体に「引け!」の合図をかけるのが一番太鼓の役割。
チームは上方と下方に分かれますが、一番太鼓はそれぞれ10人からなる太鼓隊のトップの人のことを言います。
「ダン木」と呼ばれる赤い杭が中央にあり、この上に綱が置かれるのですが、この綱の上に乗って太鼓を叩きながら全体の指揮をとる最も重要な役割です。
大将
引き隊を中心とした全体をまとめるのが役割。
綱の中心から端にあるワサまで移動して状況をつかみ、全体を鼓舞していきます。
ワサは相手側が有利になったら、ダン木に引っ掛けて綱を移動できなくさせて、また新たに作戦を練る時間を作るためのものです。
このワサをかけそこなうと、一気に相手陣地に引き込まれ早々に決着がついてしまうこともあります。
そういう意味でも大将の役割は、勝敗を分けるとても重要な役割といえそうですね。
押大将
相手チームの引き隊の邪魔をするのが押し隊。
どうやって邪魔をするのかというと、相手陣地に押し込んで、相手の体制を崩してしまうんです(笑)
まさに肉弾戦ですよね。
この押し隊をまとめているのが押大将。
この押し隊による激しいぶつかり合いは、川内大綱引の見どころでもあります。
本部長
三役ではありませんが、本部長を入れ四役と呼ばれることもあります。
この本部長は、参加者の募集や進行役など総合的に管理をする役割。
その中でも、最も重要な役割とされているのがリクルート。
上方、下方のどちらに入ってもいいこの川内大綱引。
できるだけ元気で力のありそうな若者を引き抜くことで、チームを勝利へと導けます。
会社関係や組織がらみ、それに様々な人脈を使って水面下では1か月以上前から動いているそうです。
わさ長
上記の4役に加え、このわさ長が入ることで五役と呼ばれることもあります。
「わさ」とは相手に引っ張られそうになったときに使う輪っかのこと。
綱の端にあり、このわさをダン木にかけることで、綱が引っ張られるのを止めることができます。
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わさを担当するのは50人くらいで、その中のリーダーがわさ長。
なにせ綱は長いし重い!
しかもわさをかけるダン木は中央にあるので、人でごった返しています。
人を巻き込まないように注意を払ってわさをかける、その様子も醍醐味のひとつとなっているようですね。
このように五役の連携がしっかりし、上手に作戦を立てた方が有利となります。
が、やはり7トンもある大綱、思うようにいくわけもありません。
綱引といえば引っ張った方が勝ち、という単純なルールではありますが、この川内大綱引はもっと奥深いものがあるそうです。
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さて肝心な勝敗ですが、綱引開始から90分くらい経つと、それぞれの大将と本部長が中央に呼ばれます。
そしてノコを入れていいか確認し、綱にノコで切れ目を入れ、引っ張られてちぎれた綱の中心部分がある方の勝利となります。
このように一般の綱引とはルールが大きく違う上、スケールも桁外れに違う川内大綱引は絶対他では見ることができません。ぜひその迫力を間近で感じてみたいですよね。
【川内大綱引き2019】交通規制はある?
「川内大綱引」は例年交通規制が敷かれます。
基本情報はこちらです。
日時:2019年9月22日(日)
場所:〒 895-0027 鹿児島県薩摩川内市向田町
問い合わせ先:川内大綱引保存会 0996-21-1851(平日10:00~17:00)
アクセス:JR川内駅から歩いて10分
交通規制は下の2か所でおこなわれます。
神田通り(縄練り会場)午前6時から午後4時まで全面通行止め
国道3号線(綱引会場)午後3時半から午後11時まで全面通行止め
引用元
長時間通行止めとなるので、公共交通機関を利用した方が良いかもしれませんね。
JR川内駅から歩いて10分というのは嬉しいです♪
車で行く場合には、南九州道薩摩川内都ICから10分ほどですが、専用の駐車場はありません。近隣の有料駐車場をご利用ください。
まとめ
「けんか綱」とも呼ばれていた川内大綱引きは、迫力満点のイベントです!
ですが、この「けんか綱」は、けんかをしてもいい、けんかができる、などという誤解が生じるとして使われなくなりました。
確かにその昔は出場者(?)に焼酎がふるまわれ、けんかありきの男のお祭りだったそうです。
しかしながら、今では女性も引き手として参加するお祭りとなったので、けんかという言葉が使われなくなったのは致し方ないかもしれませんね。
そんな川内大綱引は、2019年9月22日(日)に開催されます。
使われた大網の一部を持ち帰ると、一年間健康に過ごせるという言い伝えもあるそうです。
また屋台も多く出店しますので、あなたも秋分の日の前日となる9月22日、川内を訪れてみてはいかがでしょうか。