”正月飾り”と聞いて、あなたはなにを思い浮かべますか?
わたしの場合、しめ縄飾りや鏡餅、それに門松といったところでしょうか。
ひと昔前は、お正月といえばどこの玄関先にもしめ縄や門松が飾られていましたが、最近は本当に少なくなりました。
というのも、住宅事情や処分の方法が面倒になったのが、大きな原因だと思います。
そんな正月飾りの種類や飾る場所、飾っておく期間、それに処分の方法についてご紹介させていただきます。
今さら人に聞けない正月飾りのあれこれ、参考にしていただければ嬉しいです。
正月飾りとは? 一戸建て・マンションの違い
それではまずはお正月飾りの種類についてです。
代表的なものをピックアップしてみました。
正月飾りとは
門松・松飾り
門松とは、お正月に家の前に飾られる松や竹を使った飾りもので、新年の季語にも使われる伝統的な日本の文化です。
歳神様を迎え入れる依り代として、家の前に飾られます。
注連縄(しめ縄)
縄をあしらった飾りで、門や玄関といった出入り口などに飾ります。
また、昔は車や自転車などにも飾るものがありましたが、最近は飾る人も少なくなりましたね。災いや厄を祓うという意味もあるそうです。
神棚飾り
神棚とは神道の神を祀るためにある祭壇で、お正月には“しめ縄”などを飾ります。
神棚そのものは一般家庭や会社などにも多くありましたが、最近は住宅事情の変化もあり少なくなっていますね。
本来はその年の徳神のある方角に年神棚を設けますが、神棚に飾り付けをしてお正月の間だけ歳神棚としていお迎えすることが多いそうです。
床の間飾り
床の間のある家では、この床の間にいろいろな飾り付けをします。
例えば新年らしい生花、新年や干支に関する掛け軸などです。
鏡餅
鏡餅は、歳神様にお供えするために飾ります。
毎年時期になるとスーパーには、鏡餅をお供えする台もセットになった鏡餅がたくさん並びますよね。
大きなお餅と小さなお餅を重ねて置くのは、福徳が重なりおめでたいから、といわれています。
View this post on Instagram
破魔弓(はまや)
お正月の縁起物で、矢と弓がセットになったものです。
魔を打ち破る、という意味があり鬼門の方角に向けて弓矢を立てて飾りましょう。
【正月飾り】一戸建ての場合
一般的に門松やしめ縄は、玄関の外に飾ります。
大きさや仕様もいろいろなタイプが売られているので、ご自宅に合ったものを選んでくださいね。
鏡餅は床の間か玄関に一番大きなものを飾ります。
それより小さめの物を仏壇や神棚、キッチンやリビングルームなどに飾りましょう。
日本鏡餅組合によると、感謝の心があればお供えする場所や大きさに決まりはないそうです。普段の暮らしの中で重要なところに供えてください、とのことです。
【正月飾り】マンションの場合
マンションの場合は玄関から出るとそこは共用スペースになるので、門松などは普通は置けません。
ドアにしめ縄を飾れるかどうかはマンションの規定によって違いますので、管理人さんや管理組合に確認する必要があります。
もしNGであれば、ドアの内側に飾るようにしましょう。
鏡餅は神棚や床の間がなければ、コンパクトなものを選んで邪魔にならないような場所に飾ってください。
一戸建てと同じく飾る場所に決まりはないので、玄関やリビングルームなど、お好きな場所に飾ってください。
ただ、神様へのお供えものなので、あまりごちゃごちゃとしたような場所ではなく、それなりの空間がある場所の方がいいのかな?と個人的には思います。
暮らしや住居の変化に伴い、お正月飾りの門松やしめ縄、それに鏡餅などもいろいろなタイプが販売されています。
とても小さなものや、門松ならポスターなどもあるので、お住まいの環境に合わせてお選びください。
このようなお正月飾りは縁起物であり伝統文化でもあります。
年末は忙しくてそこまで手が回らないかもしれませんが、簡単なもので良いので次の世代に継承していっていただきたいと思います。
【正月飾り】いつからいつまで?
お正月飾りはいつから飾って、いつまで飾るべきなのか?
具体的にご紹介させていただきます。
正月飾りはいつから飾るのか?
基本的には12月13日の「すす払い」の後となっています。
ですが、だいたい年末に近づいた頃が一般的かと思います。
ただしご注意いただきたい点があります。
12月31日に飾るのは「一夜飾り」といって、神様に失礼だと言われているので、その前に
飾るようにしてください。
そして29日は「苦が待つ」といって、縁起が悪い日とされているので、この日も避けるようにしましょう。
12月25日はクリスマスの飾り付けをすると思いますので、そのあとの12月26日〜28日の間と、30日がお正月の飾り付けにはベストな日といえますね。
正月飾りはいつまで飾るのか?
お正月飾りをいつまで飾るのかについては、地域によっても飾る物によっても違います。
それぞれ個別にご紹介しましょう。
【門松】
一般的には松の内(1月7日)くらいまでですが、小正月の1月15日や、1月20日まで、というケースもあります。
関西は元々松の内は15日までで、どんと焼きも小正月におこなわれていた、ということから1月15日までが多いようです。
関東は1月7日が主流のようですが、京阪地域や岐阜県などの一部の地域は1月20日まで飾っておく習慣があります。
もしわからなければ、誰かに聞いてみるか周りの家に合わせるようにしましょう。
【しめ縄】
しめ縄も松の内の1月7日くらいまでとなっています。
ですがこれも地域によって15日、もしくは20日まで飾っている、というところもあります。
転勤族などは、こういうときに大変ですよね。
周りの家の玄関を注意深く観察するようにしましょう。
ただし、くれぐれも怪しまれないようにご注意ください(笑)
【鏡餅】
鏡餅は鏡開きの日までが、飾っておく期間です。
ようやく全国統一のものがあった! と思ったのもつかの間、この鏡開きの日も地域によって異なるそうです。
一般的に鏡開きは、松の内が1月7日までなら1月11日(関東が多い)、松の内が1月15日なら1月20日(関西が多い)とするのが一般的です。
また京都なら1月4日までしか飾らないところもあります。
View this post on Instagram
お餅は神様からの賜り物なので、有り難くお雑煮やお汁粉などにして、みんなで戴いてください。正月飾りの期間はその地方によって様々です。
あなたにとって特にこだわりがなければ、その地域の慣習に合わせるのが良いかと思います。
【正月飾り】処分の方法は?
それでは最後にお正月飾りの処分の仕方について、ご紹介させていただきます。
処分の方法でもっともポピュラーなのは、どんど焼きだと思います。
どんど焼き
どんど焼きとは小正月(1月15日)に、正月飾りなどを集めで、1箇所にまとめて燃やす行事のことです。
各家庭でお迎えした歳神様が、このどんど焼きの煙に乗ってまた天に戻っていくといい、無業息災や五穀豊穣などを祈る大切な行事。
この火にあたることで一年を健康で過ごせるという意味もあるので、できればどんど焼きで処分することをお勧めします。
主に神社やお寺などで行われ、正月飾りを先に片付けていた場合は、このときまで家に保管しておくことになります。
昔は正月飾りは何でも燃やしましたが、最近は環境に良くないことから、場所によって持ち込んではいけないものがあります。
燃やせる物と燃やせない物は、持っていく場所に事前に聞いておいた方が良いでしょう。
基本的に燃やせないものはプラスチック類です。
特にしめ縄飾りは細かな飾りがプラスチックがついているので、細かく分解して持っていく必要があります。
このようにどんど焼きのルールもいろいろと変わってきています。
回覧板や地域の掲示板などには、きちんと目を通しておきましょう。
では、どんど焼きに持っていくのを忘れた場合や、都合が悪くて持って行けなかった場合は、どうしたらいいのでしょうか?
神社で処分してもらう
一部の神社では、どんど焼きが終わった後でも引き取ってお清めをし、焚き上げをしてくれます。やはり大きな神社の方が受け入れてくれるところが多いようですね。
もし神社にお守りやお札を返納できる箱があれば、そこに入れてくると一緒にお焚き上げをしてくれるそうです。
ビニール袋には入れず、半紙にくるんで持ち込んでください。
でも近くにそのような神社がない・・・そんな場合はどうするの???
自分で処理する
どんど焼きにも持って行けなかったし、受け入れてくれる神社も近くにない・・・とお嘆きのあなた!
落ち込まなくてもだいじょうぶ! 自分で処理することもできます。
半紙や新聞紙などを広げ、そこに正月飾りをまとめて置きます。
そして最初に左、そして右、最後に中央に塩をかけ、そのまま包んだ状態で処分します。処分の仕方は、ちょっと良心が咎めますが家庭用ゴミとして出してください。
ここでも燃えるゴミと燃えないゴミ、それにプラスチックゴミに分けて出します。
塩でお清めをする前に、分別しておいたほうがいいかもしれませんね。
お正月飾りもいろいろと簡素化され、処分もしやすいようになっています。
自宅でも処分できますので、手軽なお正月飾りを探してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?
正月飾りは概ねクリスマス明けの12月26日以降から始めるのが一般的ですが、29日と31日はNGとなっているのでご注意ください。
いつまで飾るのか? は、地域によって違いますのでその地域に合わせるようにしましょう。
一般的には1月7日、15日、20日が多いようです。
処分の方法は、オススメはどんど焼きに持っていくことですが、過ぎてしまった場合は受け入れてくれる神社に持参するか、もしくは自宅で家庭ごみとして出します。
家庭ごみとして出す場合は、必ずお清めの塩をふるのをお忘れなく!
最近は正月飾りをする家庭も減ってきていますが、古くから日本に伝わる伝統行事です。
正月飾りは親から子へと伝える意味でも欠かせない日本の文化なので、ぜひ継承していっていただきたいと思います。
【あわえて読みたい】