福岡・博多の秋祭りといえば、筥崎宮の放生会ですよね。
1週間もの間開催されているお祭りですが、3連休にかかることもあって意外と行ったことがない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これだけの規模の大きなお祭りというのは全国的に見ても非常に珍しいと言えますので、ぜひこの機会に行かれてみることをおすすめします。
筆者も以前福岡県に住んでいましたが、1回でも行くことができて良かったと今でも鮮明に記憶しています。
そんな筥崎宮放生会の見どころをまとめてみました。
筥崎宮放生会の由来
もともとはお釈迦様の前世出会った流水長者が、大きな池で涸渇して死にかけた魚を助けて説法して放生したところ、三十三天に転生して流水長者に感謝報恩したことから始まり、捕獲した鳥や鳥獣を野に放ち殺生を戒める宗教儀式なんですね。
感の鋭い方は、お釈迦様って仏教なのに、なんで神社が関係あるの?と思われるかもしれません。
実は日本では明治時代に廃仏毀釈運動(←高校時代に聞いたことがあるはず?!)が行われるまで日本国内では、仏教と神道はそれほど区別されることなく民に浸透していたので、八幡宮では放生会が開催されているんです。
日本においては天武天皇5年(677年)8月17日に諸国へ詔を下し放生を行わしめたのが初見であるが[2]、殺生を戒める風はそれ以前にも見られたようで、敏達天皇の7年(578年)に六斎日に殺生禁断を畿内に令したり、推古天皇19年(611年)5月5日に聖徳太子が天皇の遊猟を諫したとの伝えもある[3]。持統3年(689年)には近畿地方を中心とする数か所に殺生禁断の地が設けられ、定期的に放生会が開かれるようになった[1]。聖武天皇の時代には放生により病を免れ寿命を延ばすとの意義が明確にされた[4]。
放生会は、養老4年(720年)の大隅、薩摩両国の隼人の反乱を契機として同年あるいは神亀元年(724年)に誅滅された隼人の慰霊と滅罪を欲した八幡神の託宣により宇佐神宮で放生会を行ったのが嚆矢で[5]、石清水八幡宮では貞観4年(863年)に始まり、その後天暦2年(948年)に勅祭となった。
明治元年(1868年)4月24日に神仏分離のため仏教的神号の八幡大菩薩が明治政府によって禁止され、7月19日には宇佐神宮や石清水八幡宮の放生会は仲秋祭や石清水祭に改めさせられた[6]。本祭開催日も、古来より1200年以上、旧暦8月15日の祭礼として行なわれてきたが、明治の廃仏毀釈により、10月10日(仲秋祭)に変更を余儀なくされた[7]。
現代では収穫祭・感謝祭の意味も含めて春または秋に全国の寺院や、宇佐神宮(大分県宇佐市)を初めとする全国の八幡宮(八幡神社)で催される。特に京都府の石清水八幡宮や福岡県の筥崎宮のもの(筥崎宮では「ほうじょうや」と呼ぶ)は、それぞれ三勅祭、博多三大祭の一つに数えられ多くの観光客を集める祭儀としても知られている。また、これらの行事にはウナギの取扱業者やフグの調理師などが参加する姿が見られる[1]。
(出典:Wikipediaより)
現在では、毎年9月12日〜18日まで1週間、約500店の露店が出店し100 万人もの人が九州全域からやってくる、「博多どんたく」「博多祇園山笠」と並ぶ博多3大祭りの1つとなっています。
期間中は、10時〜21時ごろまでが露店営業の目安となっています。
※最終日は、片付けがあるので夕方ごろから撤収作業に入ります。ご注意ください。
筥崎宮放生会2019の”見世物小屋”など見どころをご紹介!
見世物小屋
見世物小屋ってご覧になったことありますか?
筆者は筥崎宮の放生会に行くまで見世物小屋の存在自体知らなかったんで、その瞬間驚きを隠せませんでした!
この情報過多の時代に、これだけ理解が難しいものを脳ミソにブチ込まれるなんてなかなか味わえない体験です。
それは昭和の風情が残る、ある意味”伝統芸能”と言っても良いではと思わされるもの。
そして、いつまで存続していくのかと考えさせられるものですよ。
そんな見世物小屋を行なっている会社は減少の一途で、以下のドキュメントでは2社のみ。
かなり古い動画なので、もしかしたら1社だけになっている可能性もあります。
ご興味がある方は、今年見逃せませんよ!!
お神輿行列<御神幸(ごじんこう)>
御神幸は、2年に1度行われるお神輿行列で、福岡市の無形民族文化財なんです。
2019年は、奇数年のため実施されますから楽しみですね♪
※奇数年に行われるため、2018年は行われません。
筥崎宮の放生会自体が、9月12日〜18日と決まっているため、御神幸も日程が決まっています。
楽しみの1つとして、お神輿の御神霊にお詣りした後、氏子が奉持する賽銭箱にお賽銭を投げると賽銭箱が上下に揺れるなんてことがありますよ。
(出典:https://www.welcome-fukuoka.or.jp/info/1566.html)
【御下り(渡御)】
清道旗(せいどうき/神職によって祓い清められた道である証)を先導に、筥崎宮の御神霊を乗せたお神輿を取り巻くように、多くの氏子や威儀物(いぎもの/ご神具)が約4時間
9月12日18時〜(約4時間)本宮御発
【御上り(還御)】
御上りは、御下りに比べると1時間と短いものの、最後の数百メートルをそれぞれの道具を持ったまま氏子が力一杯走る“走り込み”が見どころのひとつです。
9月14日19時〜(約1時間)頓宮御発
おはじき
毎年テーマを決めて、博多人形師「白彫会」の手によって作られたおはじきが限定販売されていましたが、2017年より販売が注視されました。
上記のような転売や職人さんの高齢化・人数減少など諸々課題があったようです。
現在は、「筥崎宮おはじき」が20種類通年販売されています。
博多人形「白彫会」
白彫会は、昭和23年に発足した博多人形の研究団体です。
以後毎年博多人形新作展を開催し博多人形の伝統を受け継ぎながら魅力ある明日の博多人形を作り続けています。
又、昭和55年より筥崎宮で博多おはじきを会員一同で作り続けています。(出典:http://www.hakozakigu.or.jp/news/145.htm)
ちゃんぽん
こちらのちゃんぽんは、長崎ちゃんぽんのような食べ物ではありません。
「博多ちゃんぽん」「放生会ちゃんぽん」「ぽっぺん」と呼ばれるビードロという楽器です。
鳴らした音が、「ちゃんぽん♪」と聞こえることが由縁だとか。
人気の秘密は、放生会が始まる12日朝8時〜9時の1時間だけ「筥崎宮授与所」で販売され、限定2,100個だけなんです。お値段は3,000円〜9,000円で、柄は選べません。
しかも絵付けは、ひとつひとつ巫女さんの手によって行われています。
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整理券が6時〜30分間配布されますが、前日夜から並ばないと手に入れることはできません。欲しい方は気合を入れて並びましょう!
お化け屋敷
↑昼間に見てしまうとあんまり怖くない・・・
最近はお化け屋敷と言っても中身でそこまで怖がらせると、あとで何を言われるかわからないという話もあります。
しかしながら、筥崎宮放生会のお化け屋敷はその見た目からなんとも言えない恐怖心を与えてくる「戦わずして勝つ!」を体現しているとも言えます。
昭和感全開で、こんな呼び込みもいつまで聞けるのか?!
お化け屋敷の店じまいは早いので、行こうと思ったらその時に入ることをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
これほどのお祭りの体験をされた方は、なかなか少ないのではないでしょうか。
そしてまだまだ昭和感の残るお祭りは、いつまで楽しむことができるかわかりませんよね。
この変わらないテイストが、懐かしさを感じさせたり新鮮さが感じられたりと感じるものは、世代によって様々です。
世代を問わずに楽しめる筥崎宮放生会をぜひお楽しみください。
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