たとえば結婚式や、お子様の入学式・卒業式など、ここぞ!という時。
あなたはどんな服装で出席されますか?
洋服の方が多いかと思いますが、最近は着物を着て式に出席される方も増えています。
ここぞ!という晴れの日は、意外と機会が多くあるものです。
大切な記念の日に、きちんとした装いをしたいという方が増えてきているようですね。
晴れの日に着る着物で、最も一般的なのは【訪問着(ほうもんぎ)】と呼ばれるもの。
この記事をご覧のあなたは、訪問着を購入しようかどうか迷っていないでしょうか?
洋服なら気軽に買いに行けますが、着物となると、、、
相場はどれくらいなのか、どんな着物を買えばいいのか、どこで購入すればいいのか、なかなかわからないですよね。
そこでこの記事では、礼装着物の代表格である訪問着の相場や選び方を解説します。
マイ訪問着は大切な晴れの日をもっと特別な日にしてくれる
結婚式や入学式、卒業式などの晴れの日では、洋服の方も多いことでしょう。
着物を着ている方の中には、レンタルで簡単に済ませる方もいらっしゃると思います。
でも、訪問着を着る場面というのは人生の中でも貴重でかけがえのない日ですよね。
そんな大切な時に、レンタルで済ませてしまうのはもったいないように感じませんか?
せっかくの機会に装いもキチンとしたいなら、思い切って購入されることをお勧めします。
訪問着を購入する一番の良さは、晴れの日を迎える気持ちがより高まることです。
訪問着をきちんとお召しになっていると、自分の気持ちだけでなく、周りの人からの見られ方も変わります。
人の印象は見た目に大きく左右されますよね。
「あの方はきちんとした礼儀正しい方だ」
「とても上品な方だ」
こんな風に良い印象で見られるのです。
そして、きちんと誂えた訪問着は、着姿の美しさが他のものとは全然違います。
レンタルの着物と並んで立てば、その違いは一目瞭然!
思い出として残る写真に違いが表れます。
思い出のアルバムを見返す度に、「あの時きちんと用意してよかった」と思えるでしょう。
かけがえのない特別な日を、もっともっと特別にしてくれるのが訪問着です。
きちんとしたいと少しでも思う方は、中途半端に妥協せず思い切って自分の訪問着を購入しましょう。
訪問着とは
そもそも訪問着ってどういう着物かご存知ですか。
訪問着とは、公式な場に着ることのできる準礼装の着物です。
もとは、その名の通り「よそのお宅を訪問するのに相応しい着物」という位置付けで、大正時代に洋服のビジティングドレスに相当する着物として考案されました。
日本の伝統衣装の着物なのに、意外と歴史が浅いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
訪問着が誕生するきっかけは明治の開国です。
それまで日本では女性が公式な場や社交の場へ出ることがあまりなかったのですが、西欧では女性も男性と一緒に公式な場へ出席する風習だったため、それに添うかたちで女性のための公式な着物や社交着が作られるようになったのです。
女性の社会進出が進んだ結果、訪問着は誕生しました。
数ある礼装の中でも訪問着は幅広い場へ着ていくことができます。
それはどんな場面でも、礼にかなうように考案された着物だからです。
お宮参り、七五三、入学式、卒業式、結婚式、祝賀会などなど、公式行事やお祝いの席など、キチンとした服装が求められる場面では訪問着がとても重宝します。
【訪問着】購入をオススメする3つの理由
①自分にぴったりの着物をじっくり選ぶ
レンタル着物では、まず自分に合うサイズかどうかで選べる範囲が限られます。
たとえばS・Ⅿ・Ⅼといった感じです。
そして、一般的なレンタルの2~3万円クラスの訪問着は、品質やデザイン、縫製なども「それなり」です。
一方、購入する場合だと、基本的には縫製前の状態から選ぶことができます。
反物から自分の体型に合わせて仕立てるから、サイズはあまり悩まなくても大丈夫。
自分の体型に合わせて仕立てられた着物は、既製品より格段に着姿が奇麗になります。
さらに、色やデザインなども、自分に合うものをじっくり自由に選ぶことができます。
質の良いものは、生地も色柄もレンタル品とはレベルが全然違います。
時間をかけて選んで購入した着物は、この先ずっとずっと大切な日を一緒に過ごします。
愛着もひとしおになるでしょう。
②思い出に残る
例えば結婚式で一緒になった友人がどんな服を着ていたか、覚えていますか。
あまり記憶に残っていないですよね。
でも、キチンと着物を着て行く。
たったそれだけで、しっかり印象に残ります。
「あのときに素敵な着物姿で出席してくれた」
そんな好い印象をずっと抱いてもらえるのです。
七五三や入学式・卒業式など、お子様の記念日では、お子様の成長の節目ごとに着ることになるでしょう。
お子様にとっても、お母さんの着物姿はずっと記憶に残ります。
レンタルの場合、どんなにその着物が気に入っても返さなければなりません。
写真などには残せても、思い出を半分返さないといけないのです。
③体型が変化しても着られる
意外と重要なことですが、着物は着付けによってある程度の体型変化に対応できます。
洋服だと、サイズが合わなくなり、肝心な時に着られないなんてよくある話。
「洋服はすぐサイズが合わなくなるから高いものを買わない方がいい」
そこまで言う方もいるくらいです。
いつでも、何年先でも、ずっと着ることができる安心感は着物の良いところです。
また、着物は一度ほどいて仕立て直すこともできます。
お子様が大きくなったら着物を仕立て直して譲る方もいらっしゃいます。
大事に着続ければ、自分だけでなく、2世代、3世代と着物を受け継ぐことができるのです。
流行り廃りの少ない着物だからこそできることです。
晴の日を大事にしたいなら訪問着の購入がオススメ
このように、訪問着を購入すると、レンタルには無い良さがたくさんあります。
特別な日を、もっと特別にしてくれるのが訪問着。
妥協しないで誂えた訪問着は、これから迎える人生の節目節目を一緒に過ごすパートナーとなってくれるものです。
「奮発して良かった」と思える、そんなパートナーを見つけ出してください。
【訪問着】購入するから相場と選び方を教えて!
いざ訪問着を購入しようと思っても、何を買えばいいのか、予算はいくらぐらい考えればいいのか、どこで買えばいいのか、何も知らないとなかなか踏み切れませんね。
後で後悔しないように、事前にしっかり下調べしてから購入を考えましょう。
【訪問着】購入相場はどれくらい?
訪問着を着るための一式を全部揃えると、平均すると概ね50万円前後になります。
これくらいの予算で誂えると、着物も帯も正絹素材の良い物にすることができ、どこに着て行っても恥ずかしくない上等の着物になります。
もっと予算を上げると、有名作家の着物なども選択肢に入ってきます。
逆に、50万円より予算を下げると選べる幅は少なくなるでしょう。
着物や帯の価格には、とても幅があります。
購入の際には、お店の方にしっかり予算を伝えておけば、その範囲内で購入できるものを提案してもらえます。
【訪問着】着付けに必要なものリスト
ご存知ですか?
訪問着を着るためには着物や帯以外にも必要なものがあります。
着る直前になってから、足りないものがあってアタフタすることのないよう、しっかりチェックしましょう。
〇訪問着
まずは主役の訪問着が必要です。人によって似合う色やデザインは違います。
好みだと思っても着てみると肌映りがよくないことや、自分が思っていたものと違うものが意外と似合う場合もあります。
気に入ったものは必ず試着させてもらいましょう。
〇長襦袢
訪問着の中に着用します。
訪問着の色柄を損なわないよう上品なものを選ぶと良いでしょう。
柄の個性の強いものや色が濃いものはあまり訪問着に合わせません。
半衿を付けておきましょう。
〇衿芯
長襦袢の半衿に通して使います。
〇帯
訪問着には袋帯を合わせることが一般的です。
金銀の糸や箔を使ったものは格調高く見え、礼装向きです。
〇帯締め・帯揚げ・帯枕・帯板
帯結びに必要な小物一式です。
帯締め・帯揚げは、取り合わせでコーディネートを楽しめます。
礼装用のものと普段着向きのものがあるので、礼装用のものを選びましょう。
帯枕と帯板は着ると外から見えることはありません。
〇肌着・裾除け
着付けの際、最初に着る和装用の肌着です。ワンピース式もあります。
洋服用の肌着で代用する方もいます。
〇足袋・草履・バッグ
白足袋が一般的。
足袋は靴のサイズと異なることも多いので、しっかりサイズを計ってもらいましょう。
草履とバッグはセットになっているものも多いですが、セットでなくても構いません。
〇腰紐・伊達締め
着付けに必要な紐です。腰紐・伊達締めそれぞれ2~3本ずつ。
本数は着付けの仕方によって異なります。
着付けをしてもらうときは着付師の方に確認しましょう。ゴム式のものもあります。
〇重ね衿(伊達衿)末広(扇子)
重ね衿は着物の衿元に重ねて使うものです。
無くてもOKですが、あるとより華やかな着こなしになります。
末広は礼装用の小型の扇子です。
装いの品格にこだわりたい方はお持ちになられても良いでしょう。
上記のものを一式でだいたい50万円ほど、予算を想定しておくと良いでしょう。
着物の価格は幅が広く、有名作家の作などになると価格はドンと跳ねあがります。
次の節目で後悔しないよう、先に予算をきちんと決めて、その範囲で商品を提案してもらえるよう、販売員の方にきちんと伝えるのが大切です。
【訪問着】購入するお店選びのポイント 百貨店VS専門店
訪問着を購入できるところは【百貨店】と【専門店】があります。
もちろんそれぞれにメリットデメリットがあるので見ていきましょう。
百貨店
百貨店で訪問着を購入する良さは、ブランド力による安心感があります。
信用を大事にする百貨店は、取り扱う商品も品質が良いく、価格も実は良心的です。
ただ、百貨店の呉服売り場は担当の社員さんが変わることも多く、異動したての人は着物の知識もそれほど無い場合があります。
専門店
専門店で購入する良さは、着物を購入した後も先々までフォローしてもらえること、そして細かな相談も対応してもらえることです。
基本的にお店の方が変わらないので、購入したもののことを覚えてくれることも多く、コーディネートやアフターケアの相談なども対応してもらえます。
欲しいものの希望を伝えると、後日取り寄せてくれることもありますよ。
専門店は個人経営のところも多く、扱う商品や価格などはお店によってそれぞれです。
どんなお店か分からないと、飛び込みでお店に入るのは気が引けるかもしれません。
インターネットで店舗や商品の情報を発信しているお店は、事前にお店の雰囲気や商品の傾向などを調べておくのも良いでしょう。
【訪問着】色・柄・デザインの選び方
訪問着といっても、色柄は様々。
好みだけで選ばず、着る目的に合うかどうか考えて選びましょう。
訪問着の中には、礼装に向かない洒落着タイプもありますからね。
また、個性の強すぎる色柄の訪問着は、着る機会が限定される場合もあります。
晴れの日の幅広い機会に着られる訪問着を選びたいなら、店員さんにその希望を伝えておけば、目的に合う色柄のものを提案してくれます。
色選びのポイント
訪問着は様々な色合いがありますが、着やすいのは中間色系のやさしい色合いのもの。
中でもピンク、クリーム、水色は人気の高い色です。
先々まで着ることを考えるなら、年齢を重ねても着られる色合いを選ぶと良いでしょう。
柄選びのポイント
訪問着の柄は吉祥文様という、縁起のよい文様が描かれています。
柄で注意したいのは模様の季節感です。
季節を限定する柄は、幅広い時期には着にくくなります。
最初の一着を選ぶときは、どんな季節にも合う柄を選ぶと良いでしょう。
たとえば春夏秋冬の草花が描かれたものや、唐花など空想上の花などの模様は季節を問わず重宝します。
デザイン選びのポイント
訪問着は、全体に模様が染められた豪華なものや、ポイント部分に模様を絞ったシンプルなものなど、デザインも様々です。
万能なのは、あまり豪華すぎないもの。
入学式や卒業式・結婚式などは、自分が主役ではないので、少し控えめな装いが無難。
シンプルな訪問着は、豪華な帯を結んで華やか彩りを添えることもできるので、その場に合った着こなしがしやすくなります。
まとめ
いかがでしたか?
人生の中でも特別な日に着る訪問着。
購入を検討し始めると急に気になる相場や、お店選び・色柄選びのポイントをまとめました。
せっかくの晴れの日を迎えるなら、キチンとした装いで臨むとともに「奮発してよかった」と振り返ることができるパートナーを見つけてください。